セッティング編(2/2)

 さて、おさらいはこの辺で、セッティングに参りましょう。
 実はセッティングはそんなに難しく構えることはない作業なのです。セッティングを行う前に、まずはセッティング図を描いてみましょう。「セッティング図?いったいどう描けば・・・」。そんな心配はご無用。セッティング図は自分の頭の中にあるイメージを他人に伝えられるようにすれば良いだけです。基本は箱と線と矢印といくつかの記号があれば表現できるのです。

 たとえば、次のようなセッティングを考えてみましょう。

これらのセッティングを口で説明しようとすると難しいですね。例えば、こんな風になってしまいます。

「ミキサーの1、2チャンネルにCDを、3、4チャンネルにMDを、5、6チャンネルにマイクを接続しDATで最終録音する形式」

接続する機材などが少ないうちはいいかもしれませんが、多くなったり複雑になったりするとわかりにくいものです。

 ところが、図1のようなセッティング図を描くとあら不思議。一気にイメージがつかみやすくなります。


図1 一発録音のセッティング例

図1では、機材は全て箱で現しています。箱でも名前を書いておけばそれでなんの機材だかはわかりますね。ケーブルは線で表現しています。矢印の向きで音の流れを表現していますので、たとえばポータブルCDプレーヤーから出ている線はミキサーに音が流れる、ミキサーから出ている線は録音用のポータブルDATに音が流れることが一目で分かるわけです。
 ミキサーの部分にある英数字はミキサーの状態を表現しています。数字が接続チャンネルのナンバー。英字がパンポット(ステレオで録音する場合、音が右か左か真ん中かを設定するもの)の状態です。Rは右、Lは左、Cは真ん中を示しています。
 ミキサーのOUTは、ミキサーで音声を混ぜた最終的な音が出力される端子を意味しています。誤ってDATをミキサーの入力チャンネルに接続しないように、OUTと書いてあるとわかりやすいので書いてありますが、なれてくれば省略しても、ケーブルの矢印(音の流れ)だけでわかるようになるでしょう。
 あとは、線の形がそのままケーブルの形を現していますので、対応したケーブルを探し、使用すれば接続も楽々っとなるわけです。ここで、おさらいしたプラグの形状が役立つわけです。たとえば、CDをミキサーにつなごうとしてもミキサーの1、2チャンネルは標準プラグであったためつなげない・・・っということもへっちゃらです。セッティング図にある形状のケーブルは、ミニ・ステレオプラグ-RCA×2というものしかなかったら、RCAから標準プラグに変換する変換プラグを使用すればいいのです。

さて、ここまでくればもうあとは恐いモノ無し。一発録音も後日編集録音もセッティング・パターンはさほど変わりません。一発録音のパターンを覚えておけば、後日編集の場合でも「CD、MDはいらない・・・・」「マイクは1本だけ・・・」「ミキサーなしでDATにマイクを直結・・・」など応用が利きますね。

これであなたも、音響劇の録音セッティングまでできますね。つないだ後は早速録音に参りましょう。

つづく。

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